犬が起きているときは何か言いたいことが有るからだ。
私の顔を見てピーピー鼻をならして
何か要求をしいる。
その要求をこちらが理解するかどうか解らないのに
ピーピーと鼻を鳴らす。
今この犬は外に出たいのだ。
そして、庭に生えている細い葉をむしり食い
胃液を出したいのだ。
多分、そうだ。
分かっているならすぐにでもドアを開けて
庭に出してやればいいのに。
私は要求の意味が解らないフリをする。
そのフリは見破られている。
外に出すのをためらう理由は
昨日、シャンプーしたばかりだから。
だって、庭に出たら
ゲーってして、前足で狂ったように
穴、掘るんでしょ?
まだ、ピーピーいっている。
はいはい、解りましたよ。
キィーっとドアを開けた。
この犬は私の予測を寸分たがわず行動してくれた。
ほれ!
足を洗うよ。
すっきりしたのでしょう、素直にバスルームに入って
爪のあいだに入った土を掻き出されるがままにしている。
専用のタオルで足を拭いてもらって
「よし」と言われるまで動かない。
いい子だ。
そして、
お気に入りの場所で寝ている。