自分ではない何者かになれるんじゃないかって、いつもより綺麗な声で泣くんだ。
げーこげーこげーこ
あるいは、くぃーくぃーくぃーとかなんとか。
いっぱいいっぱい、げこげこげこ げーこげーこ
くぃーくぃーくぃー
精一杯泣いてると、そのうち息が苦しくなって、涙なんかも出てきて、堪らなくなる。
声が掠れて、げぅげぅげぅ がーぐーぐー とかになって。
もっと綺麗な声じゃないと意味がないのに。
変わりたいよ 変わりたいよって願うのに。
どうしてもっと綺麗に泣けないんだろう。
まるで変わる事を禁止されてるみたいだ。
